マンションの防犯
最近のマンションは、オートロックやモニター付きインターホンなど、セキュリティが充実しているのが普通になってきました。このため、マンションは、戸建て住宅とは違って空き巣と無縁と考える人も多いようですが、必ずしもそうはいえないようです。実は、東京都内の、平成29年の住宅を対象とした侵入や窃盗の件数を見ると、一戸建て住宅よりも、中・高層住宅とそれ以外の住宅を合わせた数のほうが被害が多いという結果が出ているのです。
参考:警視庁 平成29年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/
集合住宅では、居住者どうしの付き合いが希薄で、居住者の大半が見知らぬ人、ということが少なくありません。つまり、不審者の判断が難しいのです。
高層階では、セキュリティを過信して窓やドアを施錠しない人もいるようです。また、単身者や共働き世帯も多く、昼間は留守という住戸も多いようです。また、朝夕は新聞配達のためにオートロックを解除しているマンションも少なくありません。
こうした防犯上の穴が、窃盗犯の狙い目になっていることは否定できません。防犯カメラがクラウドカメラになって、マンションの防犯にどのように活用されているか、とくに、自治会で活用されている事例を見てみましょう。
管理組合と自治会
分譲マンションには必ず管理組合があります。マンションを購入した人、つまり区分所有者は必ずその構成員になることが法律で定められています。目的は、共用部分の維持管理です。一方、自治会というのもあります。こちらは任意の団体で、別の言い方をすると町内会です。目的は主に親睦活動で、マンション単位で自治会としているところもあれば、マンションそのものがその地域の町内会に属するという場合もあります。
マンションのセキュリティと防犯カメラ
マンションのセキュリティという観点で見ると、防犯カメラの運用にはいくつかのパターンがあります。マンションの管理会社が行うもの、管理組合が行うもの、そして自治会(町内会)が行うものです。マンション管理会社が行うものは、防犯カメラの映像を管理会社の防犯・防災センターが集中管理するというのが一般的なようです。
マンションの管理組合が独自に行う場合は、マンションの管理組合がセキュリティ会社に対して、運用・監視などを委託するケースが多いでしょう。
また、自治会として行う場合は、地域町内会の防災対策に組み込まれて行う場合と、マンションだけの自治会として行う場合とに分かれます。
マンションの自治会とクラウドカメラ
先に述べたように、マンションに関わる誰が主体となって行うかで運用方法などが変わってきます。自治会が主体となって行う場合には、自治会役員がエントランス、エレベーター内・エレベーターホール、そして駐車場・駐輪場、ゴミステーションといったトラブルの起きやすい場所をモニターし、入居者の苦情対応などに活用するというケースが見られます。
従来の防犯カメラの場合、画像を確認するためには、管理室など録画機器が置いてあるところへ行かなければならない、録画機器の故障は録画されていないことがわかって初めて気づく、など防犯目的を十分に果たしているとはいえないものでした。
クラウドカメラになってからは、初期導入コストや録画機器のメンテナンスコストなどの運用コストが安い、録画・再生機器をマンション内に設置しないでよい、映像を自宅PCやスマートフォンから確認できるなど、これまでのカメラが抱えていた問題が解決されたのです。
クラウドカメラのこうした特長は、分譲マンションだけでなく、賃貸マンションを取り扱う業者にも注目を集めているようです。
まとめ
防犯・防災用のカメラがクラウド化されたことによってその利用シーンが大幅に広がりを見せていますが、マンションの防犯対策への活用もそのひとつといえるでしょう。今後、マンションだけでなく住環境のさまざまなところでクラウドカメラが活用されていくことでしょう。AIカメラ総研 https://aicamera-soken.com/
(画像は写真ACより)