なんとなく利用はNG!クラウドカメラ運用の注意点|AI・クラウドカメラのことならAIカメラ総研

TOP  コラム  なんとなく利用はNG!クラウドカメラ運用の注意点

なんとなく利用はNG!クラウドカメラ運用の注意点

2019.04.22

コラム

なんとなく利用はNG!クラウドカメラ運用の注意点

便利なカメラだけど・・・使い方は大丈夫?
近年、専用録画機器を必要とせず、映像データをクラウド上に保存・管理することで、防犯や見守り、モニタリング目的などでのカメラシステム導入を、コストも抑えながら可能とするクラウドカメラが広がりをみせています。

未然に犯罪や不正行為を抑止する効果や、遠隔地からの一括管理、より高い水準の安全・安心を確保する効果など、現代における多様なニーズを満たしてくれる便利なクラウドカメラですが、気軽に導入できるからこそ、注意しなければならない運用上のポイントもあります。

すでに活用されている方はもちろん、これから導入しようと検討を始められている方は、ぜひこの機会に、これから挙げる注意点は認識できているか、対応策は考えられているか、チェックしてみてください。

取得された映像は個人情報!
クラウドカメラを設置し、防犯・監視カメラなどの用途で用いる場合、そこに映り込んでいる人の個人情報がデータとして記録されることとなります。昨今の高機能・高解像度化したカメラでは、監視対象としているエリア外を通行する人など、意図する以上の情報が、個人を特定可能なレベルで含まれてしまうケースもあります。

映像データを取り扱うことは、個人情報を取り扱うことですから、適正な管理・運用を行わなければ、プライバシーの侵害にあたってしまいます。特定の個人が識別できる水準の情報は、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」の対象ですから、不正取得や漏洩が認められた場合、損害賠償や慰謝料が請求されることもあり得ますから、十分に注意すべきといえます。

経済産業省によるガイドラインでは、特定の個人が識別できる映像の撮影を行う場合、原則としてその利用目的を本人に通知・公表しなくてはならないとしています。ただし、個人情報の利用目的が明らかと認められる場合は絶対に公表が必要であるとはしておらず、一般の防犯目的による防犯カメラ設置は利用目的が明らかと認められるとの見解になっていますから、基本的には通知・公表の義務はなく、防犯カメラ設置を明示するステッカーなどがあれば、十分と考えられます。

しかしビッグデータとしての活用や、あわせて顔認証システムを構築し入退室管理も行う、河川や堤防など状況確認のため詳細撮影を継続するなど、より高度な分析や映像の多角的利用を防犯以外に目的として含む場合には、よりはっきりと撮影中であることとその映像利用目的を、映り込むであろう相手に伝えなければなりません。

そもそも個人が特定できるほどの情報は不要であるなら、解像度やフレームレートを下げた録画設定にしておくといった方法も、プライバシーに配慮した対応として有効です。設置目的を明確にし、適したシステムを構築して、ルールに則した運用としましょう。

地域の条例もチェック!管理は徹底して
個人や店舗の防犯カメラ設置に関しては、市町村ごとに条例やガイドラインで具体的な基準やルールが設けられていることがほとんどです。管理運用責任者の選定・設置や、カメラの設置場所、撮影範囲について、原則として認められる映像データの保存期間についてなど、細かな運用にかかる決まりが示されているケースも多いため、きちんと確認して従うようにしてください。

マンションなどで導入する場合は、皆が希望するかどうか意思を確認することはもちろん、カメラの機種や設置場所、運用方法はどうするか、保存された映像はどのような場合に再生・チェックするのか、いつ消去するかなど、専用の細則を作成し、総会の承認を得ておくことが大切です。

飲食店や一般商業施設では、来店者にストレスを与えない工夫もポイントになります。必要以上の台数や、不適切と考えられる場所への設置は、導入側にとってセキュリティ目的であっても、利用者側には監視されている不快感となり、客足を遠のかせてしまう可能性もあるでしょう。必要な場所に必要最低限の台数をうまく配置し、利用者にとっても安全・安心と感じられる環境づくりを意識すべきです。

日々の運用を考えれば、メンテナンスが困難な位置に設置してしまうのも考え物です。定期的なメンテナンスが行えていないと、故障につながりやすくなりますし、そうした手を入れることが困難な場所では、緊急時のトラブルにも対応しづらいことになりかねません。

目で確認することが困難であるため、カメラに代替させるといった、そこに設置することがそもそもの目的である場合を除き、管理者がメンテナンスしやすい設置場所を選んでおくこともポイントといえます。

データ漏洩に注意!ネットワークの管理はOK?
クラウドカメラの場合、映像データをクラウド上に保管するため、ネットワークに接続して送信する仕組みをとることになります。そのため、サイバー攻撃など情報セキュリティについても十分配慮したシステム設計を行わなければなりません。

安全なデータ送信が行えるサービスか、検討時にきちんと確認することはもちろん、カメラで管理機能を用いる場合に要求されるパスワードの管理も徹底しましょう。仕組みをよく理解せず、購入・製品出荷時の録画設定のまま利用されていると、誰でも簡単に映像データを盗み見たり、漏洩させたりすることが可能になってしまいます。

運用を開始してからも、バージョンアップなど最新のファームウェアが公開されることがありますから、管理体制として、決まったタイミングで最新版へ更新するなど、セキュアな保守計画をもって利用することが大切です。万が一の障害発生時や不正アクセス検知時などにおける対応も、事前にしっかりチェックしておきましょう。

いかがでしたか。便利なクラウドカメラですが、取得される映像データの管理には、細心の注意を払う必要があります。個人のプライバシーに配慮し、ネットワークカメラとしての情報セキュリティにも十分気を配りながら、真に皆の安心・安全に寄与する適正な利用を図りましょう。

AIカメラ総研 https://aicamera-soken.com/

(画像は写真素材 足成より)

イベント・セミナー

主席研究員

AIカメラのことならお気軽にご相談ください!