お店とクラウドカメラ
犯罪が発生したときにニュースでよく見かけるようになった防犯カメラの映像。町を歩いていると、あちこちに防犯カメラが設置されているのを見かけるようになりました。銀行やコンビニエンスストアなどのお店でもよく見かけます。監視用のカメラがクラウドカメラになって、あの有名店、といわれるお店でどのように活用されているか、事例を集めてみました。
コンビニエンスストア
防犯カメラが設置されているお店といえば、真っ先に思い浮かぶのがコンビニエンスストアではないでしょうか。全国チェーンのコンビニエンスストアでは、これまでも、POSレジやATMなどをネットワークで接続して、各店舗から本部に集められたデータをマーケティングなどに活用していました。防犯カメラがクラウド化されたことによってそれがされに強化されることになりました。カメラをクラウドにつなぐ、というのはいわゆるIoT(Internet of Things)のひとつ。「モノのインターネット」と訳されていますが、要するに、いろいろなモノがインターネットに接続された世界です。
各店舗の映像を本部で見られることで、例えば、災害発生時には、本部で映像を確認して適切な初動対応指示を出したり、リアルタイムに状況を把握して早期復旧に役立てたり、ということが可能になります。
もちろん、顧客の動線や購入商品を分析して、地域ごと、季節ごと、客層ごとなどで売れ筋商品を分析したり、商品の配置や入れ替えなどを行ったり、ということにも活用されているのです。
店舗のオーナーは、スマートフォンなどから店舗の状況を確認することができるので、店にいなくても適切な指示を出すことができるようになります。
百貨店
大規模店舗ではどうでしょう。有名百貨店の事例を見てみましょう。とある大手デパートでは、新装オープンに合わせて全館監視カメラシステムのリプレースを行いました。店内通路、売り場、エレベーターホール、エスカレーター周辺、駐車場、さらにはバックヤードにも設置されたカメラが一括監視を行います。映像は24時間録画され、1ヶ月間保管されます。
さらには、カメラなどの機器そのものも最新型になったので、360°全方位カメラを採用することで死角を減らし、同時にカメラ台数を削減するという相反するニーズを実現しました。
防犯はもちろん、顧客が転倒した、迷子が出たなど、様々な状況で活躍が期待されています。
飲食店
飲食店での導入状況はどうでしょう。ある有名コーヒーチェーンの事例を見てみましょう。チェーン店舗を展開する業態では、本部が各店舗の状況を把握して分析し、ビジネスに活かしたいというニーズが必ずありますが、これは飲食店でも同じです。
このコーヒーチェーンでは新型店舗展開と同時に、クラウドカメラを用いてマーケティングに活用を始めたのです。
カメラから得られる映像はまさに百聞は一見にしかず。客層や店内の顧客動向、従業員の接客状況というデータが店舗運営に活かされるのはもちろんです。
さらに、顧客グループの人数や在店時間、注文の傾向、さらには店外を通る見込み顧客が店頭POPにどの程度注目するか、足を止めてから入店するあるいは立ち去るまでの状況など、マーケティングに活かせそうな情報は実にたくさんです。
このコーヒーチェーンでは、クラウドカメラで得られた様々な情報を経営戦略立案やマーケティングで活かせるようになったのです。
土産物店
ちょっと変わった事例として有名土産物店の導入事例をご紹介いたしましょう。日光の有名まんじゅう店です。工場に空き巣が入ったり、工場の門扉に車がぶつかる事故が起きたり、という出来事をきっかけに監視カメラの導入を考え始めた経営者が、導入に踏み切ったのがクラウドカメラでした。
店舗や工場に設置したカメラから得られる映像は、防犯だけでなく、店の混雑状況や顧客の表情などがマーケティングや経営戦略を練るのに役立っていいるのだそうです。
まとめ
監視目的が主体だったカメラも、クラウドにつながるようになったことでその利用シーンが劇的に増えました。店舗で用いられる事例もそのひとつであるといってよいでしょう。クラウドカメラを応用した新たなアイデアでどんなサービスが提供されるのか、これからも目が離せません。
AIカメラ総研 https://aicamera-soken.com/
(画像は写真ACより)