インターネット環境で使うクラウドカメラ
クラウドカメラは他の監視カメラや防犯カメラと異なり、レコーダーやモニター、モニタールームが必要ありません。その理由は、インターネットを介してクラウド上にデータを保存するためです。クラウドとは、ソフトウェアやサーバのようなもので、レコーダーの代わりにデータを保管する場所のようなものです。
インターネット上にあるものなので、物理的に破壊されることがありませんし、持ち去られたり、カメラ本体を壊されたりしてもデータが残る点が大きな特徴でありメリットです。
導入時にはカメラ本体とインターネット環境、撮影したデータを確認するためのデバイスがあればよく、デバイスにはパソコン、スマートフォン、タブレットなどが使用できますから、わざわざ購入する必要があまりない点もメリットと言えるでしょう。
現場まで足を運び、モニタールームで映像をチェックする必要もないため、遠隔操作で必要なデータにアクセスし、複数の映像をチェックすることも可能です。たとえば、クラウドカメラを複数台設置しておけば、一箇所にいながら複数箇所を同時に監視することが可能です。
回線速度について
クラウドカメラは、カメラで撮影した映像をインターネット環境経由でクラウド上に保存します。そのため、インターネット環境を整えておくことが、快適にクラウドカメラを使用するためには必要になります。回線速度には上りと下りがありますが、まずはこの違いについて簡単に説明しましょう。回線速度を表すMbpsは、1秒間に送ることができる文字の量を表しています。50Mbpsの場合、1秒間に6万5000文字送ることができるということになります。
上り回線はパソコンからデータ送信をする時の速度を表したもので、メール送信などがこれにあたります。下りはインターネット上にある情報をパソコンなどで閲覧する時の速度を表したもので、作業としては下りの方が多いため、下り回線の方が上り回線よりも速度が速くなっています。
クラウドカメラに必要な回線について
このように、インターネットの回線速度はデータ送信をするクラウドカメラにとっても重要です。回線速度が速いとスムーズに情報のやりとりができますが、回線速度が遅いとスムーズなデータ送信ができません。回線速度が不足すると、カメラで撮影した映像を閲覧したり録画したりすることができなくなるため、回線速度は非常に大切です。
また、光回線では問題がなくてもADSL回線では回線速度が足りなくなる場合もあるため、カメラ導入前に実測で回線速度を測ったり、必要に応じてカメラの解像度などを調整したりしておくとよいでしょう。
回線速度の計測方法
では、回線速度を調べたい時に使える方法をご紹介しましょう。一つ目の方法は、速度測定アプリや測定サイトを活用するというものです。事前に準備するものが必要ないため気軽に測定することができますが、測定タイミングや測定サイト、測定時間などによって結果にばらつきがあるというデメリットもあります。
サイトの選定ポイントとしては、速度が最も出やすいサイトを選ぶというものがある。速度の出るアプリやサイトはインターネットの回線速度の影響を受けにくく、計測の振り幅も少なくなるため計測結果に信頼があるということにもつながるので、参考にしてみるとよいでしょう。
また、「iperf3」というアプリをインストールすれば、パソコンだけでなくスマートフォンを使って計測することもできます。パソコンの場合とスマートフォンの場合で方法が異なるため、気になる人はアプリ名で詳しく調べてみるとよいでしょう。
適正な回線速度で快適に
クラウドカメラはカメラ本体が壊れてもクラウド上にデータが残るため、レコーダーにデータを保存するよりも安全に管理ができる点がメリットです。ただし、インターネット環境に依存しているため、回線速度によっては正常に映像が閲覧できなかったり録画できなかったりするデメリットもあるということを知っておきましょう。事前に必要な回線速度を調べておくことが、快適にクラウドカメラを使用するためには欠かせません。
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(画像はpixabayより)