クラウドカメラって高いの?
防犯、防災への意識の高まりやIoTの普及などにより、監視用カメラの利用が増えてきています。行政・公共機関や大企業だけでなく、中小企業、個人商店さらには一般家庭でも用いられるようになりました。かつては、こうしたカメラは、カメラ本体、ネットワーク機器、録画装置など一式を自前でそろえなければなりませんでしたが、最近では、カメラをインターネットにつないで、インターネット上のストレージ(クラウドサービスのひとつ)に録画するという、クラウドカメラが一般的になりつつあります。
クラウドカメラは、インターネットを介してどこからも画像を見ることができることに加え、録画機材の故障・修理といった問題に頭を悩ます必要もありません。
価格もかつてのように大組織でないと手が出ないというレベルから、個人にも手が届くまでに下がってきました。でも、実際にどのくらいの費用がかかるのでしょう。最近のクラウドカメラの価格、サービス利用に必要な費用などを調べてみました。
ローエンドの価格帯(1万円未満)
このクラスは、一般家庭や趣味での利用に使える価格帯です。カメラの性能としては、画素数は30万画素から200万画素。100万画素の製品が多いようです。カメラの向きを変えるというような機能は備わっていません。この価格帯は、ほとんどの製品が単なるネットワークカメラ(ライブ画像をインターネット経由で見ることができ、録画はカメラ内蔵のSDカードなどで行う)が多いようですが、中には専用のアプリから、汎用のクラウドストレージに画像を保存することができる製品があります。
ミドルクラスの価格帯(1万円以上10万円未満)
カメラの性能が上がり、クラウドストレージなどのサービスが付帯する製品が出てきます。カメラの性能としては、価格に応じて、フルハイビジョン(1980×1080画素)対応、広角レンズ(140度、180度等)やナイトビジョン搭載、マイク・スピーカー搭載、デジタルズーム、パン・チルトなどの機能を備えたカメラが用いられています。
さらに、複数台のカメラ制御、スマートスピーカーによる操作、バッテリー駆動、動きや音を検知して録画開始、不審者へ警告音を発するなど、付加される機能も増えてきます。
クラウドストレージのサービスも製品によって様々で、保存期間に応じて価格が上がるのが一般的です。3日間で月額500円くらいから7日間保存で月額1,000円くらいという設定が多いようです。1日間なら無料というサービスもあります。
さらに、製品によっては、オプションのセンサーなどを追加すると、温度、湿度などを検知してエアコンのリモコンとして利用できる製品もあります。
ハイエンドの価格帯(10万円以上)
業務用の性格を帯びた製品が多くなります。カメラ単体では、野外設置可能なヘビーデューティーなもの、被写体の明るさが大幅に変化しても鮮明な画像を得られるもの、低照度でも鮮明なカラー画像が得られるもの、4K対応のものなど、プロ仕様の製品が増えてきます。個人商店、SOHOを超えた業務利用が多くなってくるため、カメラだけでなく、クラウドストレージ、設置や保守なども一括して専門業者に発注するケースが増えてきます。さらには、カメラで取得した画像をAIで分析するサービスなど、無限と言えるほど応用範囲が広がりつつあります。
まとめ
技術の進歩によって工業製品の価格が劇的に下る、というのはよくあることですが、監視カメラも例外ではありません。さらに、インターネット、IoTの普及によって、活用の場面も大きく広がりました。多額の予算をつぎ込める組織はさらに先進的な利用方法を見出していくことでしょうし、逆に、個人や小規模組織では、低価格で導入できるクラウドカメラが思いもよらない使いかたをされてゆくことでしょう。
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(画像は写真ACより)