導入が広まりつつあるクラウドカメラ
企業に限らず、一人一人の防犯意識が高まりつつある今、クラウドカメラは新たな監視システムとして広まりつつあります。これまで、監視カメラを導入しようとすると、カメラ本体のほかにモニターやレコーダー、工事費などが必要となり、コストが膨らんでしまう点がネックでした。
しかいクラウドカメラを導入する際には、カメラ本体とネット環境さえあればよいですし、スマートフォンやタブレット、パソコンなどがモニター代わりになるので別途モニターを購入する必要がありません。
そのため、カメラの種類によっては工事なしで簡単に設置できますし、設置した後の移動も簡単に行うことができます。また、遠隔操作で情報を確認したり、複数人で共有したりできるため、低コストで手軽に導入できる監視カメラとして注目されつつあります。
監視カメラに関する法律は?
クラウドカメラは屋内に設置するタイプでシンプルなものであれば、工事不要で、置くだけで準備完了しますし、固定もしないので移動も楽に行えます。そのため、個人宅などでも導入しやすいカメラの一つとして注目されています。しかし、いくらクラウドカメラが便利で導入しやすいカメラとは言え、監視カメラや防犯カメラを導入する前には、知っておかなくてはならない法律があります。
個人情報保護法
クラウドカメラを監視カメラや防犯カメラとして設置する場合、気をつけなければならない法律が個人情報保護法です。個人情報とは、住所や氏名、生年月日などの個人を特定できる情報を指します。気をつけなければならないのは、上記に挙げたような具体的な情報がなくても、個人を特定できると判断されれば個人情報になるという点です。監視や防犯目的であっても、カメラに写り込んだ顔データは個人情報として扱われる可能性があるということです。
監視カメラなどを設置する場合、目的が明らかであれば利用目的を公表しなくてもよいことになっていますが、顔認証システムによって個人が特定されてしまう場合には、顔認証システムを利用して撮影する目的などを明示しておく必要があります。
監視カメラを見れば万引き防止などの理由で設置されていることは予測できますが、顔認証システムによって個人が特定されうる状態になっていることまでは認知できないためです。
個人情報と紐付かない活用方法なら問題なし
しかし、たとえ監視カメラで撮影されていたとしても、顧客情報と紐付けるなどの方法によって個人を特定できるような利用の仕方をしていない場合には問題ありません。たとえば、顧客の属性や来店頻度、行動などを見てマーケティングに活用するための撮影であり、個人が特定できないようにしてあればよいわけです。
このほかにも、あえて画質を落とすことで個人を特定できないレベルにまで下げておけば、撮影しても問題ありません。クラウドカメラは万引き防止や社員教育などにも活用できますし、オフィスの勤怠管理、入退出管理などに活用する場合もあります。
撮影する映像によっては個人情報保護法に抵触する可能性がありますから、目的をしっかりと理解し、事前に説明を行ったり、利用目的を明確にしたりするなどの対策が必要です。
事前説明が不足するとトラブルの元に
監視カメラでの撮影は、人によってはプライバシー侵害だと感じることもあります。そのため、事前にきちんと利用目的を説明し、理解を求めておかないと設置してからトラブルに発展する可能性があります。監視カメラ設置の目的が本当に正しく説明できているか、明白なものになっているかをよく確認し、あとあとトラブルにならないように注意しましょう。
法律に関して十分な知識のないままクラウドカメラを導入してしまうと、無自覚の内に法律違反を犯してしまう可能性があるのです。違法なカメラ導入をしないためにも正しい知識を知っておくことが重要です。
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(画像はpixabayより)