寺社と防犯
日本人にとってお寺や神社は仏様や神様がおわす神聖なところ。悪さをしようものなら、それこそ罰(バチ)が当たります。それでも古来より寺や神社の財物を盗む不届き者はいたようですが、それでもお屋敷や商家よりは少なかったことでしょう。こうした歴史があったからか、お寺や神社は防犯に対する意識が他と比べて低いといわれているようです。とはいっても、賽銭泥棒、文化財の盗難など対策を打つべきところはあるものです。
特に、海外からの観光客が多く訪れるような寺社では、外国語で落書きされたり、油をまかれたりという被害が実際に起きています。
寺院や神社で、防犯カメラ(特にクラウドカメラ)がどのように活用されているかを見てみることにいたしましょう。
お寺や神社は広い
お寺や神社は概して広いもの。歴史のある寺社は山まるごと寺社領なんていうのも珍しくありません。おまけにおおむね開放的で、敷地に入るのに何の制限もない、というところも多くあります。個人や会社等の敷地では考えられないことです。お寺や神社への訪問者
京都、奈良、鎌倉などのように、多くの寺社が観光名所になっているところは、通年で多くの人が訪れます。しかし、観光とは縁がないお寺や神社だと、訪れる人がぐっと増えるのは、年始、お盆、お彼岸くらいのもの。それ以外では、それぞれの寺社の年中行事や節句、お葬式、結婚式くらいのものでしょう。
お寺や神社から見ると、人が多いときは、スリなどの参拝者に対する犯罪、参拝者同士のトラブル、落とし物や迷子、落書きなどのいたずらはもちろん、坂道や階段の多い寺社なら参拝者の健康にも注意しなければなりません。
逆に、夜間や訪問者が少ない時期は、不審者の侵入、いたずら、お賽銭や文化財といった財物の盗難、そして不法投棄、不審火・放火にも注意しなければいけません。寺領社領が広いだけに、365日、人が見回るのは不可能といってよいでしょう。
日本人なら無意識のうちに抱くであろう神仏への畏敬の念というのを全く持ち合わせていないのではないか、というできごとが珍しくなくなりました。お寺や神社も防犯に無関心ではいられなくなってきているのです。
寺社とクラウドカメラ
先に述べたように寺社領はとても広いことが多いです。山まるごと寺社領だったり、市街地の寺社でもそれなりの広さがあったり、というのが普通です。しかしながら、寺社には、官公庁や会社のように警備部門や守衛所などはないのが普通でしょう。監視カメラを設置しようにも、これまでの監視カメラでは、録画機器をどこに設置するかだけでも大きな問題です。
クラウドカメラであれば、設置するのはカメラだけ。映像はクラウドに録画されるので、寺社の事務所のパソコン、さらにはご住職ご神職のスマートフォンから確認することが可能です。設置するカメラがナイトモード対応であれば夜間の映像もバッチリです。
防犯以外への活用
防犯目的でクラウドカメラを導入し、その利便性に気がついた寺社は、別の目的に活用し始めています。年末年始の混雑具合の把握、年中行事や特別行事における檀家さんの到着状況把握、結婚式や葬式の際の駐車場の誘導など、寺社においてもアイデア次第で様々な場面で活用できることがわかってきました。
まとめ
寺社において、檀家や参拝客はいわばお客さま。お客さまにそっぽを向かれると立ち行かなくなってしまうのは、寺社も一般企業も同じです。人口の減少局面に入った我が国においては、寺社も経営が大変になっていくであろうということは想像にかたくありません。クラウドカメラは、寺社の経営効率化などのために、その活躍場面をますます広げていくことでしょう。
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(画像は写真ACより)