■多くの防犯カメラが抱える問題点
防犯被害にあわないために色々な場所に設置されている防犯カメラ。防犯を防ぐだけではなく、事件の証拠になったり、天気や河川の様子を確認できたりと、様々なシーンで利用され、今や私たちの生活に着実に馴染んできています。
一般的に防犯カメラは、レコーダーに接続することで、録画した映像を保存します。保存するハードディスクの容量が大きければ長時間の録画が可能です。しかし、逆に言うと、ハードディスクの容量が小さければ肝心な時に容量が満タンになり録画できないことになります。また、電源が落ちている等のトラブルに気付かないことが多いため、大事な画像が保存されていない、といったことも発生してしまいますし、仮に録画されていたとしても、データを抜き取ることが難しい機種も多いのが実情です。そして、そもそもハード機器を設置する物理的なスペースも必要ですし、記憶装置の経年劣化や故障しやすいことも懸念事項です。
防犯カメラの映像があれば色々と安心ですが、必要なときに映像を確実に撮るために、日々データの移行や故障の確認など、ケアが必要なのも事実です。
■AI搭載のクラウド型カメラで、防犯カメラの可能性が上がる。録画できていないストレスからの解放。いつでも、どこでも、いつのでも。
先ほど挙げた防犯カメラの問題点。実は防犯カメラもどんどん進化していて、全ての解消が可能です。それを可能にしたのが「クラウド型カメラ」。24時間365日、手持ちのデバイスからライブ映像を閲覧することができるのはもちろん、撮影したデータは即時クラウドに転送・保存されるので、過去のデータも全て確認することができます。
また、データを保存していたハードディスクの設置も必要ないため、機械の故障や容量の心配などから解放されます。
■地方自治体こそ導入してほしいクラウド型カメラ
(1)AI搭載だからできる防災時のアラート配信と気象情報連動
台風、地震、ゲリラ豪雨。自然災害はいつ発生するかわかりません。自分の身は自分で守りたいけれど、情報源はテレビ?ラジオ? 最近では、個人の発信するSNSで情報収集をする人も多いですよね。なぜか?目の前で起こっていることをタイムリーに把握できるから。テレビやラジオは、現場までレポーターが駆けつける時間がかかるし、気象庁や政府からの情報があがってからの情報の二次利用だから”いま”の情報から少し遅れますよね。でも誰かの発信してくれるSNSに自分の命を預けるのはリスクが高い。そこでAI機能のあるクラウド型防犯カメラの出番です。
例えばゲリラ豪雨が発生しても、事前に地盤の緩い地区や、土砂崩れの危険が疑われる丘や山、浸水の恐れのある地域にAI搭載のクラウド型カメラを設置しておけば、住民はいつでも確認したい拠点の”いま”をインターネットで見ることができるし、気象庁発表の注意報、警報、特別警報などにも連携しているので、これから警戒すべき場所も確実に把握できます。
出典:気象庁ホームページ
(http://www.jma.go.jp/jp/warn/)
(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning.html)
また、AIの凄いところは、”いつもとの違い”を認識できる点にあります。例えば、河川が急に増水したなど、
”いつもの水位と違う”とAIが判断すると、地域住民の方にアラートメールを送信してくれたり、限界水位を超えると、避難勧告メールを送付してくれます。住民はアラートメールを受け取った時点で、氾濫しそうな河川の状況を視覚で捉えられるので、理解しやすく、速やかに行動に移せます。百聞は一見に如かずとはこのことです。
(2)自治体導入事例~北九州市(河川と道路の監視)
実際にAI搭載のクラウドカメラを導入している北九州市。クラウドを利用したカメラサービスだからこそ実現した、「複数拠点からの同時アクセスが可能」な点を高く評価されています。関係者が同時に監視カメラデータにアクセスできるため、情報共有のタイムロスがなくなり、市民の迅速な避難行動につながります。
また、道路の冠水も常時監視。台風や突然のゲリラ豪雨の際、すばやい通行止めなどの措置が実現するとしてAIの特性を高く評価されています。今後は、AIを活用した画像解析で、水溜りができるとアラートを発生させるなど、より迅速な安全措置につながるしくみを構築していく予定のようです。
防犯カメラが記録するだけの時代は終わりました。防犯カメラの”記録する”という役割はもちろん、撮っている映像をAIのカメラの目で見て”違い”を判別し、”危険”と判断するAIの機能。いつでも、どこでも、気になる拠点の”いま”を確認することができるクラウド機能。それらが主流になれば、タイムリーで確かな情報源として、私たちは”安心”を手に入れることができるでしょう。