死角を残すことで、犯罪を助長する原因になることも
クラウドカメラは録画データを保存するレコーダーが不要であることから、手軽に設置できる点がメリットですが、クラウドカメラを設置する場合に気をつけたい点は、死角が生じてしまう点です。死角が残っている状態のままであれば、犯罪を助長する原因にもつながりかねません。犯罪行為を防ぐためにも、クラウドカメラを設置する前には死角についてあらかじめ理解しておきましょう。
特に死角になりやすい「カメラの真下」
クラウドカメラを設置した場合、死角になる場所としては「カメラ下」があります。クラウドカメラに使用する一般的なカメラの撮影範囲は、主にカメラの前方となります。そもそも、カメラは前方を向いて設置されているため、カメラの真下は撮影することができません。
仮に、罪を犯そうとしている人がカメラの真下が死角であることを知っていれば、死角となっている部分を事前に把握し、実際に罪を犯してしまうことも十分に考えられます。
クラウドカメラを設置しても死角が残っていれば、犯罪行為を完全に抑止することは難しいといえるでしょう。
カメラの真下の死角となっている部分を撮影する方法としては、複数のカメラを取り付け、別のカメラで死角部分を撮影する方法があります。
カメラの真下のみならず、真横も死角に
また、カメラ下以外にカメラの死角となる部分としては、カメラの真横もあります。カメラが撮影できる範囲は角度で表すことができますが、その角度は「画角」で表されます。
そこで、クラウドカメラに使用されるカメラの画角について、一例をあげてみると「Safie(セーフィー)」に対応するエルモ社製のカメラは、水平画角が111度、垂直画角が58度となっています。
参考:
Safie 商品一覧
https://safie.link/onlinestore/
水平画角が111度であれば、左右の角度はそれぞれ55.5度となります。
室内の角に設置するのであれば、水平画角が90度を超えていれば問題はありませんが、広い室内の中央部分や屋外に設置する場合、真横に近い部分は撮影されないことになってしまいます。つまり、カメラの真横の部分は死角となるのです。
カメラの真下と真横が死角であることを踏まえれば、クラウドカメラを設置したとしても、完全に犯罪行為を抑止するのは困難といえます。そこで検討したいのが「全方位カメラ」を設置することです。
全方位カメラを設置して、真下や真横もしっかり撮影
全方位カメラとは、360度全ての方向を撮影できるカメラのことです。全方位カメラは、屋内の場合は天井の中央部分に設置されていることが多く、また、屋外の場合は電柱や信号機などの柱に全方位カメラ設置用の支柱を取り付けて設置されます。
一般的なカメラで撮影する場合、カメラの真下や真横が映らないことがネックとなっていましたが、全方位カメラは真下や真横も撮影が可能であることから、カメラの死角に関する問題は一挙に解決します。
全方位カメラは、店舗の天井に設置することで店内全体を広範囲に撮影できるほか、屋外への設置例としては、駐車場の監視用や、通学路や商店街の安全確保などがあります。
全方位カメラを活用することによって、一般的なカメラを利用するよりも犯罪抑止力をより高めることが可能となるのです。
クラウドカメラを設置する場合は、死角をいかになくするか、という点が重要となりますが、複数のカメラを設置したり、あるいは全方位カメラを設置したりすることで死角を少なくすることができます。
クラウドカメラを設置するなら死角をできる限り少なくして、安全性を確保することを心がけていきましょう。
(画像は写真ACより)
AIカメラ総研 https://aicamera-soken.com/