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記録映像ってどのくらい保管しておけばいいの?

2019.04.14

コラム

記録映像ってどのくらい保管しておけばいいの?

広がるカメラニーズ、運用方法にも悩み
防犯カメラや監視カメラのシステムが、一般導入するにはとても高価で手が届きにくく、ハードルが高かったのはもはや過去の話になり、近年はさまざまなスタイルで、手軽に導入できる方法が普及、それとともに、日々の暮らしにおけるあらゆるシーンで、カメラを目にすることも増えました。

商業施設や公共交通機関・公共施設、マンションなどの住宅における共用空間、駐車場などでの防犯対策はもちろん、工場といった生産現場で安全と品質の維持向上を目的に導入されるケースも増加し、現代社会におけるカメラニーズは高まる一方となっています。

比較的安価で、安定的かつ多角的で柔軟な運用がしやすいメリットから、クラウドカメラにも高い関心が寄せられており、一般家庭や個人店舗の防犯対策に活用する方も増えています。もちろん大規模なネットワークシステムを構築し、一括管理することができるのもクラウドカメラのメリットですから、多拠点展開を行う企業やチェーン店舗での利活用も進んでいます。

一方、こうしてカメラシステムが比較的容易に導入可能な環境が整ったことで、その運用方法に迷いや悩みを抱かれる方も増加しています。そこで今回は、寄せられる相談としても非常に多い、映像の最適な保存期間について解説しましょう。

長ければいい?どのくらい保管できる?
防犯や、安全・確実な作業実行をモニタリングするための設置カメラは、そこに“目がある”ことを意識させて犯罪や不正行為を未然に抑止する役割と、問題が発生した際の証拠や早期解決につながる重要な情報データとして保存・活用できるようにする役割の2つが、主要なところとして挙げられるでしょう。

前者の役割のみで事足りるなら、映像の保存期間はさほど問題にならず、極端にいえばダミーカメラの設置で解決されるかもしれません。しかし後者を強く意識するなら、録画し、保存するその期間の設定は、運用上の重要なポイントになります。

クラウドカメラでない一般的カメラシステムの場合、動きのある映像を高画質で保存すると、そのデータ容量が膨大となるため、大容量のハードディスクなど専用記録媒体を、場合によっては複数用意する必要があり、ある程度長期の保存となると、さらにその投資コストがかかってきます。容量の充実した記録媒体は、それだけ高額にもなりますから、ニーズとコストのバランスをよりタイトに考える必要があるでしょう。

一方、クラウドカメラの場合、ユーザー側でサーバーや記録媒体を用意する必要がなく、データ容量の大きな記録映像を、長期保存したいケースでも、リーズナブルなコストでニーズを満たせるメリットがあります。保存したい期間がカバーされるプランでの利用契約を結びさえすればよいことから、試験的に運用を始めた後に、もっと保存期間を長くしたいという事情が発生しても、すぐ柔軟に対応させられることがほとんどです。

このように自由度が高いのは非常なメリットで、安心にもつながるポイントですが、そうなるとなお、どのくらいの期間保存するように設定すればよいのか迷ってしまうという方もあるでしょう。

必要な時にいつでも見られるよう、できる限り長く保管しておくという考えもありますが、ただ漫然と長ければよいというわけではありません。

保存期間について、具体的に定めた法令はありませんが、市町村によっては条例を制定しているところはあります。また県や公共団体などで、利用目的に応じ、方針やガイドラインで具体的に保存期間を示しているケースもありますから、まずはそれらを確認しておいてください。個人が識別できる映像データは個人情報として慎重に取り扱うべきものですから、こうした確認作業は大切です。

その上で、保存期間があまりに短すぎては、せっかくの録画が意味をなさない可能性があり、大いに不安でもありますから、用途に応じた最適な保存期間を見定める必要があります。次項では、具体的なシーンにそって“最適期間”を考えていきましょう。

ベストな期間を見定めてしっかり管理を!
映像データをどのくらいの期間、保存しておけばよいかは、カメラを設置する場所やその導入・活用目的によって異なります。一般には1~2週間が標準的とされ、コンビニなどがほぼこのくらい、長くても1カ月程度に設定されているようです。

個人店舗の場合、顧客とのトラブルや犯罪被害の発生に気づくのは、ほぼその場となりますから、店舗の休店日数として連続する可能性のある最大に、2~3日の余裕をみた保存でOKともされています。

通常の家庭で、玄関や駐車場付近などに防犯目的で設置する場合なら、1~2週間程度保管すれば十分でしょう。日々異常がないか確認できるならば、まとめて保存する期間は限定的でかまいません。しかし、リアルタイムや毎日の確認は現実的に負担が大きくなりすぎますし、何かあった時に警察へデータを提出することなどを考えれば、1週間は保存されておいた方がよいといえます。

家庭よりは長めに設定されている、マンションの防犯カメラ保存期間も、2~4週間が大半とみられています。管理会社の考えによりますが、この程度の期間、保存されていれば、中央であらためてチェックが必要になった場合なども対応可能と考えられているのでしょう。

街頭のカメラでは、銀行のような直接まとまったお金を扱う性質のあるところで、より長めの保存がなされる傾向にあります。1~2カ月の設定となっているケースが多いといわれ、中には1年近いデータを保管している銀行もあるようです。ATMに設置される防犯カメラも同程度に長めで、1~3カ月程度の映像が保存されているといわれます。

オフィスや事務所ならば、1~2カ月程度が一般的で、発覚にやや時間がかかることの多い社内不正にも対応できる設定とするケースが多くなっています。

食品工場や一般の製造工場は、完成品に異常が見つかったり、商品に異物混入があったりした場合に、該当品の製造時における様子を細かく確認する必要があるため、1~2年といった長期の保存・管理がなされています。食品の場合、製造日から賞味期限プラスアルファまでの保存が、基本として欠かせません。

このように、利用する場所や目的により、適切な映像の保存期間はまちまちとなります。クラウドカメラの場合、一般的なカメラシステムほど容量を気にしなくてよいメリットがありますが、あまり長く保管しすぎることはプライバシー保護の観点からお勧めできません。必要最小限の保存期間で、最大の効果を発揮させるように工夫し、保存している間のデータ管理は慎重かつ厳重に行うことが求められます。

基本的に安定した運用が可能なクラウドカメラですが、サーバーダウンや、システムへの外部攻撃によるデータ破損リスクはゼロとはいえません。必要に応じ、バックアップをとっておくことも大切です。

どうしても保管が必要な期間におけるデータや、重要な証拠を含んでいる可能性のある映像、異常時に関連するデータなどは、念のためローカル環境にもバックアップデータを残しておきましょう。

もちろん、それらバックアップデータについても、役目が終了し、適切な時期が来たら、きちんと消去しておく必要があります。細心の注意を払って、最適な期間の映像保存を行い、それぞれのシーンで、ぜひカメラを有効に活用してください。

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(画像は写真素材 足成より)

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